【解説】道徳感情論 、「道徳」「共感」とその仕組みについて。書籍紹介No.5

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道徳感情論

この記事の内容:道徳感情論における「道徳」と「共感」について

この記事は本を紹介するための記事です。この記事に書いてあることは本に書いてあることの一部にすぎません。さらに私は専門家ではありません。この「道徳感情論」に関しては様々な解釈の研究がなされており、いまだ私もすべてを理解していません。あくまでも内容の是非や整合性を問わずに「道徳感情論」を”超”簡単に私なりの解釈でまとめたことをご了承ください。

はじめに

まずこの本は、全体のまとめをしようとすると無意味なものになってしまうでしょう。

なぜならこの一冊で「徳」やそれに関わるほぼすべてのことがわかるからです。

しかし、それゆえに内容のボリュームがあって読むのが大変💦

過去に執筆した「エチカ」同様、とても難解な内容で、読書にはかなり根気が必要でした。

なのでこの記事では、現在の私たちにも関係するような重要なポイントだけを紹介してみようと思います!

同感(共感)とは何か?

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Photo by Alex Green on Pexels.com

この「道徳感情論」で一番述べられていて、この本の最も大事なエッセンスがこの「同感」についてです(以下、共感とします)。

なぜ私たちは共感するのでしょうか?

たとえば、TwitterやInstagramなどのSNSで、「いいね」を押す。

これも共感の一種だと思います。

しかし、スミスによると、その発言や情報に含まれている”感情”そのものに「いいね」つまり共感したのではなく、

人はその裏に隠されている”過程(境遇)”に共感すると考えました。

Twitterでいうなれば、

「資格試験合格しました!とっても嬉しいです!みなさん応援ありがとうございました!」

というtweetがあったとしましょう。

ここで人は単純に「嬉しい」の部分に共感するのではなく、その裏側(頑張って勉強した)を考えるからこそ共感すると言いました。

「この人は一日8時間も勉強してたな、すごいな~!よく頑張った!」

それじゃ、いいねポチッ、、、

共感=その感情そのものによってではなく、その隠された境遇を考えて起こる

共感の性質

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Photo by Anastasia Shuraeva on Pexels.com

スミスによると、

共感は良い感情よりも負の感情のほうが基本的に捉えられやすい

とされています。

先ほどの「合格しました!」よりも、「落ちてしまいました。。。」のほうが共感を得やすいと言えるでしょう。

なぜなら、人は負の感情に敏感(注意を払っている)だから。

僕が読む限りこういう心理学的な考えの科学的な根拠は載っていなかったので、スミスが人間の行動を観察して導き出した推測にすぎないと考えますが、

WEBライティングにおける「負の感情」を操るテクニックからもいえるように、あながち間違いではないと思います。

「道徳感情論」はあくまで哲学書ですからね💦あんまりその正誤を確かめるようなことは必要ないかと💦

哲学書というのは、私たち一般人にとっては何かしらの気づきがあればいいんです。

共感は良い感情よりも負の感情のほうが基本的に捉えられやすい

共感から生まれる「称賛」と「非難」の条件

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Photo by Lisa Fotios on Pexels.com

本書によると、

何かを褒める(良い評価をする、値うちをつける)ということは共感があるからこそ起こるものだとされています。

しかし、先ほど「共感」の部分で話したように、

人は境遇を考えて判断するわけで、「褒める」ということもまた正しい「理由」が存在してないといけません。

「合格しました!(カンニングしたけどね、へっへっへ)」

といったように、もしカンニングをしたということが明るみになれば、人は共感もしませんし、褒めることもしません。

「不正をせずに実力で合格した」”から”こそ、褒められるんです。

何かを褒める(良い評価をする、値うちをつける)ということは正しい理由からの共感があるからこそ起こる

共感する中立的な観察者がいるから道徳は守られる

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Photo by Andrea Piacquadio on Pexels.com

わたしたちは行動する「行為者」でもあり、他の人を称賛や非難をする「観察者」でもあります。

また先ほどの例を持ち出しますが、

「合格しました!」に対し、

「お前が合格するなんて思ってなかったよ。合格して逆に残念だわーw」

なんて言葉が飛び出ると、この人は間違いなく非難の対象になるでしょう。

この非難をするのが、中立で公平な「観察者」の仕事です。

またこの「お前が合格するなんて思ってなかったよ。合格して逆に残念だわーw」に対する非難をした人(観察者)は、

「自分はこういうことは言わないぞ!」

と自分で自覚し、発言に対して気をつけようとするでしょう。

このように、

自分の発言が良いか悪いかの判断が、他の人からなされることによって、道徳は守られると言えることができます。

道徳とはこういう意味で責任あるものなんです。

道徳は「行為者」と「観察者」による共感によって守られる

義務とは何か?

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道徳は「全体が守るべき常識的な価値観(僕の解釈)」と考えられます。

そして、その道徳を守ろうとする行動が「義務」です。

ここでは宗教が例として挙げられています。

スミスは、

「神様を大切にするってのはわかるけど、そのやり方はそれぞれ違うくね?」

と言っています(拡大解釈)。

義務もまた同じだと言えます。

「義務そのものは大事なものだけど、その義務をどう果たすかはそれぞれ異なる」

のかなあと。

歴史上にもそのようなことは多く見られます。

国を救うために活動したものの、そのやり方を間違えた独裁者などなど。

この義務の考えに触れて思ったのは、

「その人の行動の起源(理由)は何だったのか?」

をもっと考えなくてはいけないなということです。

方法を間違えていたとしても、その行動の目的や理由を知れば、「共感」が生まれ、無駄な批判もなくなるのではないか。

これもまた人間である以上理想論ではありますが、

それを考えることこそが人とのコミュニケーションを格段に良くするものだと思います。

義務=道徳を守ろうとする行動。しかしその義務をどう達成するかはさまざま。

まとめ

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Photo by Lukas on Pexels.com

1.共感=その感情そのものによってではなく、その隠された境遇を考えて起こる

2.共感は良い感情よりも負の感情のほうが基本的に捉えられやすい

3.何かを褒める(良い評価をする、値うちをつける)ということは正しい理由からの共感があるからこそ起こる

4.道徳は「行為者」と「観察者」による共感によって守られる

5.義務=道徳を守ろうとする行動。しかしその義務をどう達成するかはさまざま。

ここで紹介した「道徳感情論」の内容は、本書の内容の0.1%くらいです笑

正直、かなりきつかったです。

ブログ記事を書こうと思って一度目を通すだけでも時間がかかり、それをまとめるのにも時間がかかり、、、。

古典ってこういうところがホントだめ!!笑

でもすごくないですか?

僕がいろいろ解釈して説明はしましたが、

1759年に書かれたこの本。その時の社会制度、科学的技術力、思想などなどが現在のものとは全く異なるのに、実に我々も納得のいくことを言っています。

これはあくまでも哲学書であって、科学的な実証はこの本では述べられていませんが、この本もまた「本質」をついた作品だと感じました。

不変の原則、ですね!

本当はもっともっと自分の中でひっかかった言葉があったのですが、

これについてすべてまとめようとすると僕は他に何もできなくなってしまうので、この辺で💦

難解ゆえ、さまざまな解釈がなされると思います。

もちろん、学術的な研究もされていますし。

ぜひそういった研究やこの記事を参考にして読んでいただければ嬉しいです!

読書の際には頭痛のための「バファリン」を用意しておくことをおすすめします。

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