【感想】アニメ「平家物語」はここが興味深い!観るべきポイント5つをご紹介![平家のセカイ]

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この記事の内容:アニメ「平家物語」のおすすめポイント4選!

注意:この記事はアニメ「平家物語」の多少のネタバレを含んでいます。ご注意ください!また今回は原作や歴史における「平家物語」ではなく、あくまでもアニメとしての本作における感想なので、筆者の歴史的・文学的知識の不足等々をあらかじめご了承ください!

はじめに

フタメ
フタメ

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり~♪沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす~♪

ヒトメ
ヒトメ

どうしたんだい?いきなり

フタメ
フタメ

ヒトメさんも学校で習いました?なんか口に出すと気持ちいいんですよね。

ヒトメ
ヒトメ

僕が習ったのとはちょっと違うかな?まあ、フタメくんの世界と僕の世界は違うからね。でもたしかに僕の世界でも暗唱させられたなあ。

そんなことを話していると琵琶を持った少女が店に入ってきて・・・。

1. あらすじ

平安時代末期の都では平家一門が栄華を極めていた。少女・びわは琵琶法師の父親を平家の武士に殺されたあと、平家の屋敷に侵入。そこで出会った平家の棟梁平重盛に「お前たちはじき滅びる」と予言する。亡者が見える重盛はびわに共鳴し、彼女を屋敷に留め置き、息子の維盛資盛清経の三兄弟とともに生活させることにする。

平家一門総帥の平清盛は、娘の徳子高倉天皇のもとに入内させ、さらなる栄華を追い求める。一方で、その強引さに踏みにじられる者達も多く生まれた。徳子入内から6年後、平家に対する反発はますます高まり、後白河法皇の近臣達が平家打倒の陰謀(鹿ケ谷の陰謀)を計画するが、密告により発覚。関係者を処罰した清盛は、法皇をも幽閉しようと目論む。これを察知した重盛は、清盛の面前で決死の諫言を行う。

徳子は男の子を産み、清盛はさらなる栄華を求めるが、天災や妹盛子の死によって重盛はいよいよ不安を募らせる。重盛は維盛・びわとともに熊野参詣を行い、清盛の野望を留める願いが叶えられないなら、来世の菩提と引き換えに自らの命を縮めるよう祈願する。帰京した重盛は病の床につき、夢で平家の滅亡を告げられる。すべてを悟った重盛は、びわの奏でる琵琶の音を聴きながら最期を迎えた。(以下略)

引用:「平家物語(アニメ)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。 2022年5月13日 (金) 15:08 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%AE%B6%E7%89%A9%E8%AA%9E_(%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1)

2. アニメ「平家物語」のおすすめポイント4選!

2.1 未来が見える右目を持つ琵琶法師の少女「びわ」の役割

びわ https://heike-anime.asmik-ace.co.jp/character 

さて、まず本作品に注目するべき点はアニメオリジナルキャラクターである「びわ」の存在です。原作には登場しない「未来が見える琵琶法師の娘」というこのキャラクターが本作の独創的で重要なポイントであり、それ以外の部分は原作「平家物語」に沿ったストーリーだと言えます。

このオリジナルの設定があるからこその面白さがこのアニメにはあるんですね。ではそれを少し紹介していきましょう!

主人公である「びわ」は琵琶法師(琵琶という弦楽器を演奏する芸人で平家物語を語り継いだ)の父と、現在は行方不明の白拍子(しらびょうし:踊り子みたいな職業)である母のもとに生まれました。

彼女は左右の目の色が違う、いわゆる「オッドアイ」の持ち主で、彼女の右目は「未来を見る」ことができます。しかし実は彼女のこの能力はあくまでサブストーリー的なものであり、よくよく考えてみると彼女は物語の大事な場面で特になにか大きなことをなしとげることはありません(また、ここが本作の大事なテーマとなっています)。

つまり彼女の役割は一貫して語り部なのです。主人公ではあっても、平家物語という物語に大きな影響を与えることはないのです。それは彼女が琵琶法師という存在であるということからもわかるでしょう。

ではこの語り部とはどのような存在なのでしょう。なぜアニメではこのびわという少女が必要だったのでしょう?

商業的に言ってしまえば、それは管理しやすい登場人物だったから、といえるかもしれません。すなわち、「平家物語」という日本国を代表する作品を忠実に再現するだけではなく、それは現代の我々から見てどういう物語なのかという解釈をするにあたって、びわという新たなレンズが必要なわけです。びわには歴史とは異なる行動を自由にさせることができるわけですからね。

それでは次に「未来を見通せる右目」に焦点を当てて、びわの作品的な役割を考えてみましょう!

2.2 びわの「未来を見ることができる右目」と重盛の「死人を見ることができる左目」

平 重盛 https://heike-anime.asmik-ace.co.jp/character

作中ではびわの「未来を見ることができる右目」に加えて、平重盛の「死人を見ることができる左目」という存在が物語のはじめに明らかになります。この対比はかなりわかりやすく表現されていましたね。しかし結局はこの2つの目の説明は本編では詳しくされません。また登場人物もそれに対してなぜかそこまで大きな関心を持っていません。

上述したように、この目は「平家物語」の根幹をなす要素ではないのです。さきほどはなぜその要素をアニメでは取り上げたかについて考えてみましたが、ここでは次にその機能と設定について考えます。

まずはじめに考えるべきはそもそもの目という臓器の機能についてです。目とはすなわち以下のような機能を持ちます。

目(眼、め)は、光を受容する感覚器である。光の情報は眼で受容され、中枢神経系の働きによって視覚が生じる。ヒトの眼は感覚器系に当たる眼球と附属器、神経系に当たる視神経と動眼神経からなる。眼球は光受容に関連する。角膜、瞳孔、水晶体などの構造は、光学的役割を果たす。網膜において光は神経信号に符号化される。視神経は、網膜からの神経情報を脳へと伝達する。

引用:「目」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。 2022年4月26日 (火) 10:48 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%AE)

ざっくりいえば、目とは光を受け取る臓器ですね。つまり見えるとは光を受け取ることなのです。

ではこの作品において未来を見るとはどのようなことか。

ここからはあくまでも人文社会科学的な考え方で自然科学の話をしようと思うので、間違っていてもただの仮定だとして聞き流していただけると嬉しいです。そう、これはあくまでも「作り話」なのですから!笑

結論から言うと、僕は「光をより早くとらえること」だと考えます。つまり光をより早くとらえることができれば、それは誰よりも早くそれを「見た」ということであり、それはすなわち「未来を見た」と人に言えるのではないでしょうか?

もちろんそれはあくまでも他の人と比べて、という話です。そしてこのアニメ「平家物語」ではなんらかの形で実際にその光を本当に人よりも早く受け取れるような目をびわは持っている、と仮定することができます。

今ある物体から反射する光、ではなく未来のその物体から反射する光を受け取ることができる、ということでしょうか。まあ、そこらへんはフィクションということで笑。

このように考えたさきに見えてくるのが、びわが失明した理由です。作中ではびわが失明したという説明はされていませんが、びわの母親(盲目)と同じ目を「白髪のびわ」がしているとう描写から、びわが長い年月経て失明したと考えられます。

そしてそれはびわが琵琶法師になるための条件でもあったのかもしれません。それは琵琶法師が盲目の詩人であったことからわかります。

琵琶法師とは、盲目の障害者が通常の仕事ができない代わりに生業としていた職業だったと聞きます。つまり、盲目の人間が琵琶法師になるのであって、健常者が琵琶法師になることはなかったそうなのです。

物語の最後、びわは白髪の姿になり、盲目となりました。これを見れば、このアニメ「平家物語」とは、びわが本当の琵琶法師になるための物語であり、原作の平家物語とはやはり別の二次創作的な作品だといえます。原作をアニメに再現するという点では、このびわの存在はサブストーリー的なものにすぎないのです。

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2.3 「いつか」という言葉の意味

祇王 https://heike-anime.asmik-ace.co.jp/story

僕が特に観てほしいシーンは第二話のなかにあります。

それはびわと白拍子の祇王(ぎおう)がまたいつか会おうと約束をするシーンです。

いつか、というのはいい言葉だな。明日、明後日、先のことが少し楽しみになるの。

アニメ「平家物語」 第二話「娑婆の栄華は夢のゆめ」より、びわのセリフ

確かにそうだなと思うでしょう。しかし、びわが言うこの言葉は僕たちとは意味合いが変わってくると思います。

それはびわが未来を見ることができるからです。びわには「いつか」という言葉は存在しないはずです。

ではなぜびわはこんな風に思ったのか。それはびわがあくまでも未来を見ようとすれば見えるだけで、見ようとしなければ見ることはない、という右目の機能によるものだと思います。

このシーンにとってのびわのこの言葉とは、「びわが祇王の未来を”まだ”見ていないから言えた」のであり、そのいつかとはびわにとって選択できる未来なのです。

もちろん作中でのびわの能力については多くは語られていないので、細かい辻褄合わせがなされているとは思いません。しかし、びわは「あえて未来を見ない」ということもできることは作中にて明らかになっています。

あえて未来を見ない選択肢はある。しかし、能力があって、それを使わないでいることはできるのか・・・。少なくとも作中のびわは能力を使うことはためらってはいても、結果としてやはりその能力を使い続けていました。

そういったことを踏まえるとこの「いつか」という言葉のなかには、びわが「いつか」を楽しみにできることができる、つまりびわはやはり未来を見ることができる超能力者ではなく普通の人間の女の子なんだ、という演出なんじゃないのかなあと思いました。それは例え未来が決まっていようとも、「いつか」に願うびわの心情なんですね。

2.4 見えるだけで変わらない未来 びわは現代人の象徴?

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この能力、結局なんなのでしょうか。なぜびわには未来が見えるのでしょうか?そして重盛もなぜ死人が見える目を持っていたのでしょうか?

さきほども言ったように、びわはこのアニメ「平家物語」において語り部としての役割を担っています。それはこのアニメの視聴者である私達にむけて話される物語なのです。つまりこのアニメ平家物語とはより正確に言えば「平家物語」の話ではなく、「平家物語を伝えるびわ」の物語なのです。

そしてびわは未来を見ることができる。また私達も平家がどうなってしまうのかの歴史を知っている。

つまり、びわとは作中に登場する「私たち視聴者」の代弁者なのかもしれないということです。しかしそれは彼女がいわゆる「異世界もののアニメ」の主人公のように、現代の人間がタイムスリップをして平安の時代に生きているわけではありません。彼女はあくまでもその時代に住む人間の一人なのです。

この辺の構成はミヒャエル・エンデの「ネバーエンディング・ストーリー」にも似ていますね!

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平安時代に起こった、平家滅亡の歴史。その歴史的事実は絶対に変えることはできません。

その未来を見通すのがびわであり、そしてそれを見守り、祈ることが彼女の役割なのです。このように考えれば、彼女の目というのは「現代で平家物語に触れる私たちの目のこと」なのかもしれません。

2.5 人と花、生命と死

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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。

平家物語

言葉選びもリズムも音も、すべてが完成された究極の日本語だと僕は思います。

沙羅双樹の花はつまり時間の移り変わりを意味しています。そして作中では人間の比喩として頻繁に登場しますね。

花が落ちることによって人の死を演出しているのですが、これはやはりアニメだからこそできる手法だと思います。

平家物語とは平家の没落を描いた作品です。没落といえばなんだか歴史の教科書じみていますが、要は「人が死ぬ」物語です。壇ノ浦での平家の人間の集団自殺はなんともいえない哀しさに包まれています。

でも人が死ぬってどういうことなのでしょう。僕はそれを考えたときに永六輔さんの下の言葉をいつも思い出します(永六輔さん以外の人も言っていることがあるので、諸説あります)。

人間は二度死にます。 まず死んだ時。 それから忘れられた時。

永六輔

つまり誰かに覚えていてもらえる限り、それはその人のなかで生き続けるということです。

この二度の死というテーマに関して、ピクサー制作のアニメ映画「リメンバー・ミー(原題:COCO)」も最高におすすめの作品なのでぜひ観てみてください!

https://www.disney.co.jp/movie/remember-me/about.html

おわりに

フタメ
フタメ

今回の世界はなんだか悲しい世界でしたね・・・。

ヒトメ
ヒトメ

確かにね。でも、それが自然本来の働きなんだよね。

フタメ
フタメ

盛者必衰の理、か。

ミヤコ
ミヤコ

だからこの店(ブログ)もいつかは滅びてしまうんだよ・・・。

ヒトメ
ヒトメ

でも、、、その前にまずは盛者にならせろーー!!

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